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プロローグ

この幸せが夢じゃないかって…… 怖い 目を覚ましたとき、全てを失っていたらと思うと心が壊れそうだ。 「んっ、ぃあ……、はぁ、き、もちぃっ……」 慈しむように身体を撫で上げ、宝物のように抱きしめてくる力強い腕に涙が零れる。 こんな壊れもののように扱われた経験がない自分が信じられなくて、初音は吐息を漏らしながら身体を開いた。 「好きだ…。愛してる……」 睦言のように繰り返される愛の言葉に胸が震えて、新たな涙が溢れる。 「満……」 不安で名前を呼ぶと、優しい亜麻色の瞳が見つめてきて、初音は小さく息を吐いた。 「好き…。俺も満が好きです……」 感極まって伝えた言葉に男は自身のものを更に大きくさせると、初音の愛液で濡れる後孔へ押し当てゆっくりと挿入していった。 「んぅ~…、はぁ、ぅ……」 「大丈夫?」 「だ、ぃじょうぶ……、きもちぃ……」 オメガとして生きてきて、オメガとして幾人ものアルファを受け入れてきた初音は自分から望んでこの身を捧げるのは貴方だけだと、腕を伸ばして抱き着いた。 男はそんな初音の華奢な身体を強く抱きしめると、腰をゆっくり動かして抽送を繰り返した。 「あっ、はぁぅ……、んん……お、おくぅ……」 中を侵食するように進んでくる男に初音は苦しさと愛しさに苛まれる。 徐々に早まるスピードについていけなくて、声を上げて泣いた。 「アッアッアッ……、だ、だめっ…、イ、イくぅ……っ…」 しがみつくように男の背へ爪を立てると、満は小さく呻くように声を出し、初音とほぼ同時に欲望を爆ぜた。 荒い呼吸はぶつかり合い、唾液と共に舌を絡ませ、少し身体を離した二人は小さく笑って、幸せを噛みしめた。

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