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第14話

 一番驚いていたのは、空本人だった。  1千万。  これだけあれば、父さんの借金が完済できる。  僕に、こんな高値を付けてくれた人は、誰?  声は、ずいぶん若かったけど……。  ライトが付いているのは舞台だけで、客席は暗い。  落札者の顔など、とても解らない。 「行きなさい」  司会者に促され、空は袖へ下がった。  手枷足枷が解かれ、服を手渡された。 「すぐに準備して」  慌てて制服を着ると、来た時と同じように目隠しをされた。  手を引かれ、車に乗り、見えない道を移動する。  やがてどこかに着いたようで、屋内へ入った。  椅子に座らされ、目隠しを外すように命じられた。

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