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第6話 いつまでたっても(いろんな意味で)。
プールを膨らますことと水張りは叶が到着する前に用意してあったから、ボールやオモチャを用意してホースをシャワーにつないだりしながら俺は叶を待っていたけど、叶は一向に現れない。
本当にどうかしたのかてあ部屋まで覗きに行ったらタオルを身体に巻いたまま、何故か水着を着ようとして……足は通すものまた脱いで、タオルを巻き直していた。
「………」
そっか、躊躇ってるんだ。
叶はいくら可愛くても『男』だもんね、『女』の水着は着たくないよね。
「……何故、私は着れないのでしょう」
叶はポソリと呟いた。
涙声の叶に俺は反省した……ちょっとやり過ぎたかも。
「着れないのは叶が『男』だからだよ」
俺が後ろから声をかけたら、叶はまた立ち上がって水着に足を通した。
「着なくていいよ、叶」
「やです……杉原先輩には着てもらったんですから、私も着ますっ」
……それでも、叶は躊躇していて、膝で水着を上げる手が止まってしまい、震えていた。
俺は急に自分が仕出かしたことが大きいことに気付いて、叶を後ろから抱き締めた。
「ごめんっ……俺はどうかしてた」
「どうかしてないです。…私では着れないようなので、先輩水着上げて貰えますか?」
叶の身体は拒否と羞恥で震えていた。
それでも着ようとしてくれたことが嬉しくない訳じゃないから、
「ありがと…」
そう言った瞬間、タオルがパサリと落ちた。
「きゃぁーっ!!見ないでくださいっ」
きゃぁーっ……て叶がしゃがみこんだ。
「裸になったところで恥ずかしがって、セックスでいーっぱいなってるデ……」
「みっみないで……くださいっ」
………叶のペニスを見たら何か主張してた。
「叶は何で勃起ってるの?」
「…何故でしょうか」
俺が聞いてる側なんだけど。
「ひょっとして水着姿に期待しちゃった?」
「それも、…あるかもしれません」
叶の……自分自身の水着姿に?
それとも、この歌舞伎絵柄の水着姿の俺に?!
叶の萌えどころにも俺にはイマイチ理解が出来なかったけど、
「自分てスる?……俺にシてもらいたい?」
「……」
叶はリンゴのように顔を真っ赤にしている。
「俺がスると、自分でスるよりキモチイイけど。……叶は、どうされたい?」
「……してくださぃ」
消え入りそうな声。
「了解」
叶もキモチイイこと好きだもんねぇ。
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