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第10話 次に『粋な趣味の水着』を着る理由は。

「杉原先輩っ」 俺がコロコロと庭の砂利の上を転がってくビーチボールに手を伸ばして振り返ったら、俺が用意した可愛い水着を着た叶が、俺に水鉄砲を浴びせようとしていたのを、俺は軽く避けた。 「残念だったね」 「……もう、何故当たってくれないのですかっ」 プールデートというより半ば叶を遊ばせている状態になりつつも、俺もかなり叶に振り回されてて、やっぱしこれはデートなのかな? 「かなえっ」 俺は叶の真似をして不意打ちで水鉄砲で攻撃したら見事左胸辺りに命中した。 「わぁっ!!冷たいですっ」 「そりゃ水鉄砲だからね」 「私は当てることが出来ないに、先輩は何故当たるのですか?!」 『不公平ですっ』とシャワーを浴びせてきたから、俺はわざと避けないでかかってあげた。 少しは俺も濡れてあげるよ。 「叶が俺に命中出来ないのは、『叶が受身』で『俺が攻め側』だからじゃない」 『俺が受身』なんて考えただけでもキモチ悪くて嫌だ。 「先輩は変態ですっ」 叶はシャワーをビーチボールに持ち換えて、俺に投げてきたけど……これはキャッチした。 「その『変態な俺』を『好き』って言えちゃう叶もかなりの『変態』なんだと思うよ!!」 叶と一緒にいるのが俺は『楽しくて、幸せ』だ。 この幸せな『お家プールデート』は多分夏休み限定だけど、夏休みにしか出来ないから、余計に『楽しい』に違いない。 「杉原先輩が、もう一つの水着を着てくれるなら、私はまたこの水着を着ても良いですよ?」 ……なぁんて叶が言うもんだから、俺は次あの叶が選んだ『粋な趣味の水着』を着てまた『お家プールデート』をするに違いない。 キミのこの『可愛い水着姿』が見たいから。 完

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