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 人々はかつて、電気というものを使って生活していた。争いが無かったわけではないが、多くの人が平和に暮らしていた。  そんな蒼き星から、核石(エナジー)という新しい資源を発見した。効率的にエネルギーを供給できることもあり、瞬く間に全世界へ広まった。次々と発見されていく核石により、しばらくの間は争いも減っていた。しかし、資源が枯渇する前に自らが独占しようと考える権力者が現れ、核石を巡る争いが次第に発生していった。  そんな争いのせいで、蒼き星はエネルギーを失い、男は緑溢れる星『アルガド』、女は輝きし星『オリヴ』へと移動した。互いに交流はあるものの、一線を超えた者たちはエネルギーを失った蒼き星へ送られる決まりができていた。  女はものを作りお互いに協力して安定した生活を得た。女が作ったものは男へと渡り、生活を支えている。  一方男は、かつての蒼き星のような生活を得るために、ブロードと呼ばれる小型飛行機体を開発した。ブロードは移動手段としても大いに活躍する一方、大量の核石を消費した。かつての蒼き星のように大量の核石があるアルガドであったが、二度と同じ過ちを繰り返さないために使用を制御する派閥と、文明の発展のために消費していく派閥と分かれ、再び争っていた。戦争の勢いは治まるどころか酷くなる一方で、ただの派閥争いはいつしか国家の争いのように規模が大きくなっていた。そしてお互いの砦が築かれていった。文明の発展のために開発されたブロードは、いつしか戦う道具になっていた。

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