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「あっ、あぁぁっ」  さらに感覚が強くなり、上手く力が入らない。堪えることすらままならない。呼吸すら上手く出来ず、だんだん苦しくなっていく。  意識が薄っすらと遠のいてきたとき、僕の下着の中で激しく弾け、思い切り中を汚した。全身の力が抜け、クノスに支えながら立っている状態になる。肺が酸素を求め、呼吸が深くなる。 「気持ち良かったですか?」  クノスのその一言で、僕は意識をはっきりと取り戻した。  壁に固定されたままの左手を振りほどき、クノスに蹴りを食らわせる。 「がっ……」 「ぼ……僕に触るな!!」  こんな怒鳴ったことは今までない。僕はクノスと距離を取り、少しの間全力で彼を睨みつける。あまり効果は無かったが、これ以上同じ空間にいることが耐えられず、早足でクローゼットに駆け寄り、着替えを手にして逃げるように部屋にあるシャワールームへ走っていった。

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