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君がすき 4
「わあ……」
キスを一旦諦めて見下ろしたリュカの身体は、思わず感嘆するほどにキレイだった。服を着ていた時の印象と同じく全体的にほっそりとしてはいるけれど、痩せて骨がごつごつしている訳ではなく、均整のとれた筋肉に覆われていて美しい。綺麗に浮き出た鎖骨。小さくて控えめに存在を主張する色の薄い乳首。うっすらと割れた腹筋。そして縦長の臍の穴まで、感心する程すべてが完璧にキレイだ。
こんなに美しい人を、僕みたいな普通の男が抱いてもいいんだろうか……。かと言って今更だめだと言われても止められる自信は全くないけれど。
「抱く気なくなったか?」
リュカが何とも見当はずれの事を言うから僕はぶんぶん頭を振って即座にそれを否定した。リュカは色んな事に長けて聡いのに、自分の事となると鈍感すぎる。
「リュカの身体があんまりキレイで見とれてたんだ」
「うまいこと言うもんだな」
「ほんとうだよ」
肩を竦めるリュカは、きっと何を言っても信じてくれない。そう思ったから、見とれるのはそろそろ終わりにしてリュカの身体に手と唇を這わせた。首筋にキスを落とし、鎖骨を撫でて、胸をまさぐる。リュカがくすぐったそうに身を捩ったけど、理性が溶け落ちた僕は止まらない。
「ん……っ」
可愛らしい乳首に吸い付いて舌で転がしていたら、リュカのくすぐったがる声に甘い響きが加わった。舐めながら上目で盗み見ると、きゅっと閉じた長い睫毛が小刻みにふるふる震えていた。
ここ、感じるんだ……。ズクン、と快感が背骨を這い下りていく。元より元気になっていた下半身がもっと硬度を増して、勃ちすぎてちょっと痛い。
「リュカ……」
愛しくて意味もなくつぶやいた声に応える様にリュカが目を開けた。そして、相変わらず垂れ落ちている僕の髪を優しくすいてくれる。
「リュカ……すき……」
リュカはばつが悪そうに視線を逸らした。今は否定されないだけでよしとしよう。
好きだから、リュカの全身を愛撫したいと思った。文字通りリュカの身体全部に隈無くキスをして回る。キレイなおへそにもキスをして、ついでに舌で中をぐりぐり舐めまわしていたら、初めてリュカにやめろと言われた。見上げると、ほんのり頬を染めたリュカがちょっと怒った様な顔で「汚いから」と言った。
「きたなくなんかないよ。リュカの身体はどこもかしこも全部キレイだよ」
もっと、リュカの全部が見たくなってリュカの下履きに手を伸ばす。張り出した腰骨の間に指を差し入れて脱がそうとしても、咎められない。それどころか、腰を浮かせて協力までしてくれたから、そのまま一気に膝の上まで引き下ろした。
ごくりと唾を呑む音はリュカにも聞こえてしまっただろうか。リュカの性器は、やんわりと反応していた。僕の拙い愛撫に感じてくれていたことが嬉しくて、興奮した。そしてリュカの身体はそんなとこまでやっぱりキレイで感動すら覚える。だって色白のリュカの一番日焼けしていない腿の内側と同じだけ白くて形も整っている。
「あんま見んな」
リュカが恥ずかしそうに言うからじっと見るのはやめたけど、本当はもっと見たかったし、欲を言うなら月明りじゃなくてランプを灯してしっかりとリュカのを見たかった。色も形もちゃんと知りたい。
「おい、やめとけよ」
「どうして?」
身体にするのの延長で、キスをしようとしていた。リュカの性器に。
「汚ねえだろ、そこは」
リュカが足を閉じてそこを隠そうとする。僕は、きたなくなんかないよ、と答える代わりにリュカの腿を両手で押し開いてリュカのキレイな性器の先っぽにくちづけをした。う、とリュカが声を上げる。続けて、「やめろって」と弱々しく抗議されたけど、無視して先端を啄むと、リュカの下腹部がひくひくと震えた。
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