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君がすき 6
「じゃあこっちは舐めてもいい?」
「俺はもういいから」
こっちと言ってペニスに手を伸ばしたのをさっと避けられた。仰向けだった身体を素早く起こしたリュカと向かい合う形になる。顔を見たらキスがしたくなって前のめりになって唇を寄せようとしたら、とんと肩を押し返されてしまった。
「お前もいい加減脱げよな」
リュカが唇を尖らせている。決してキスをねだっている顔ではない。
身体を起こしたから、リュカの捲り上げられていた上の服はストンと下りたけど、ズボンはまだ膝の辺りまでずりさがっている。ついさっきまでリュカは上半身も露出させていたというのに、僕は対照的に未だ一糸乱れぬ姿だ。リュカが不満を抱くのも理解できる。僕は頷くといそいそと服を剥いだ。
リュカに貰った服は、僕が元の世界で着ていたものと違ってシンプルで余計な装飾もなくてあっという間に脱げる。何もかもキレイなリュカに自分の身体を余すことなく曝すのに抵抗がなかったと言えば嘘になるけど、躊躇ったり恥じらってる時間がもったいないと思う気持ちの方が強かった。脱げば、リュカの不満はなくなってまた大人しく身を委ねてくれるだろう。早くリュカに触れたい。そればかり考えていた。
僕が脱いでる内にリュカも中途半端に膝で止まっていたズボンと下着を脱ぎ捨てた。スラリと細くて白い足が露わになって目を奪われる。本当に、ズルいくらいどこもかしこもキレイだ。上衣は自分から脱ごうとしなかったけど、僕が先に全部脱いで「リュカも」ってアピールしたら、しぶしぶ脱いでくれた。
月明かりで蒼白く浮かび上がるリュカの一糸纏わぬ裸体は、どう見てもやっぱり美しかった。陳腐だけれど一言で表すならスタイル抜群。僕の身体はリュカより男らしい骨格に恵まれているし筋肉も付きやすいタイプみたいだから貧相ではないと思うけど、実戦用のしなやかな筋肉に覆われたリュカの芸術的とも言える美しさにはとても敵わない。槍術や弓術のレッスンをもっと真面目に受けておくんだったと後悔しても、後の祭りだ。
「結構がっしりしてんだ」
「そう、かな……」
リュカがまじまじと僕の身体を見て感心するように言った。恥ずかしい。他人に全裸を見られるのは初めてでもなんでもないけど、好きな相手に、リュカに見られるのは全然意味合いが違う。それに……。
「でけえ……」
リュカがそう呟いて目をやっているのは、僕の下半身だ。でかいよ、そりゃあ。だってリュカの全てに触れて、舐めて、裸を見て、これ以上ないってぐらい興奮してるんだから。お腹に引っ付くレベルで持ち上がっているそこは勃起しすぎてずっと痛いし。
恥ずかしくて視線を逸らしていたら、リュカがずいっと身体を寄せてきた。そして躊躇う素振りもなく僕のでかくなってる性器を優しく掴んだ。またしごいてもらえるのだろうか、と淡い期待を抱いてそこに目をやると、リュカの顔が僕のペニスへと下りてきていた。
「そんなこと……うっ」
ちゅ、と先端に吸い付かれて「しなくていい」って言葉が途切れてしまう。リュカの小さな口がぱかりと開いた。亀頭の先に柔らかな唇が触れたと思ったら、そのままくびれの下まで一気に咥え込まれた。熱くてぬるぬるしてて、これまで味わったことのない心地よさにため息が漏れ出る。上目で僕を窺ったリュカが頭を上下させた。まとわりついてくる熱い舌と上あごに挟まれてじゅぶ、じゅぶ、と抜き差しされたら、天にも昇る気持ちよさで、さっき出したばかりでなければ間違いなく一瞬で限界に達していただろう。
こんなに気持ちいいことがこの世にあったなんて……。リュカにこんな事させちゃいけないって思ってたはずなのに、今は気持ち良すぎてリュカを止めようなんて思えない。愛しさがこみあげて、僕の股の間で上下するリュカの薄桃色の髪を梳くように頭を撫でた。リュカの小さな口の中を僕の完全に勃ち上がった凶悪なペニスが出入りしているのを目にしたら、ズクンと腰が痺れて内から熱い昂りが込み上げてきそうになる。
「リュカ、も、でちゃうから……」
流石にリュカの口の中に出す訳にはいかなくて、慌ててリュカの頭を掴んで止めた。こちらを見上げたリュカが、その口からゆっくりと僕のペニスを引きずり出す。唾液が糸を引いて僕のペニスとリュカの唇を繋いでいる光景は酷く卑猥で、ペニスがピクンと跳ねた。
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