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 石畳の路地には落ち着いた色の家が広々と並んでいる。同じような家が建ち並んでいるが、装飾によって様々な個性が出ている。  他とは少しだけ離れた家は、青々とした芝生に覆われた広い庭がある。そこには、大きな赤い実をつけた木がある。  そんな木を丁寧に手入れしている、木と同じくらいの高さの男がいる。彼は肩より長い黒髪を下の方で束ね、白いシャツ、黒いベスト、黒いズボンをきっちり纏っている。その見た目が作業の手付きを表しているようだ。  そこへ、手を繋いで歩いている二人の男たちが近寄る。小柄な男と大柄な男である。 「こんにちは、レイさん」  話し掛けられたレイは手を止めて二人の方を向き、ニコリと微笑んだ。 「こんにちは、リッツさん、ライモンドさん。お元気そうですね」 「うん。今日はね、僕たちがこうして二人になれた記念日なんだ。ねっ」 「ああ。俺がリッツのものになれたのも、幸せの国のおかげだ」 「それはおめでたいですね。あっ、そうだ……」

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