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 何かを思い付いたレイは今さっきまで手入れをしていた木を細部までくまなく見始める。自分の頭より少し上の方に真っ赤な実が二つあるのを見つけると、優しく触れて木からそっと離す。  その採れたばかりの実を二人に差し出す。 「これは私からのお祝いです。ちょうど食べ頃なのでよろしければ召し上がってください」 「わぁ、美味しそう。レイさん、ありがとう!」 「ありがとう、レイさん。今日のディナーのデザートにするとしよう」  二人はレイからそれぞれ実を受け取る。顔よりは小さいが、片手で持つには少し大きい。 「それじゃあレイさん、バイバーイ」  リッツは実を持ったまま手を振り、レイに別れを告げる。ニコリとライモンドに微笑み、繋いだ手を離さずにレイの元を去っていく。  その姿を微笑みながら見つめるレイ。二人の姿がどんどん小さくなっていってもまだ見つめている。  気付けばその顔からは笑顔が消えていた。  やがて、完全に見えなくなるとそこから目を離して作業のために使っていた道具を片付け始める。そして家の中へと入っていった。

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