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<15>寝起きエロ&寝てるエロ編
寝苦しくて目が覚めた。横向きで寝ていたようで、下敷きになった右腕がズキリと痛む。
カーテン、窓と、二重の壁があるはずなのに、チュンチュンと鳥の鳴く声が微かに聞こえてくる。
覚醒しても、すぐに昨日の記憶は戻ってこない。トモと付き合うようになってから、そういうことが増えた。
……正確には、セックスした次の日は……だ。ここがどこだか、昨日何していたのか、思い出すまで時間がかかる。
目の前に、筋張った腕と手のひらが見えた。背中にむさ苦しい体温も感じる。どうやら俺は後ろから抱きかかえられていて、目が覚めたのは背後の熱のかたまりが原因のようだ。体温が高くてよく眠る、「健康優良児」という単語が頭に浮かんできて、ふっと笑いが漏れた。
今、何時なんだ? 時計を見ようと身じろぎすると、
「っ……!」
一瞬、頭の中が真っ白になった。サーっと血の気が引いていく。
……入っ、た、まま……、だ。
ぶわっと全身に汗が滲みだす。今、動こうとして初めて気づいた。普通、こんなの起きた瞬間にすぐ気づくはずだ。コレが自分の身体の中にいることに慣れてしまっている……という事実を、認めたくない。自分で自分に嫌気が差した。
こいつ、入れたまま寝やがったな、そんなことするヤツがあるか!? という信じられない気持ちと、この状況をどうにかしなくてはいけない……という現実と向き合った気持ちが半々で、しばらくそのまま動けなかった。
身体は動いていないのに、心臓はすごい速さで脈打っている。背後からはのん気な寝息が聞こえた。
「っ……」
腕をつねって起こしてもいいが、この状況で起こしたら面倒くさいことになりそうで嫌だ。
覚悟を決めておそるおそる繋がってる場所に触れてみると、
「ひ……」
後ろのバカ男の陰毛に混じって、何かパリパリしたものが、ポロ……と取れる感触がした。長時間繋がっていたせいで、出されたもの……が、乾いて……そうなっていたのだと理解した瞬間、カーッと顔が熱くなった。
「……、……」
もう一度、確かめるように手を伸ばす。毛が触れる……ということは、完全に根本まで入っているということだ。
「っ……」
結合部に指を当てたまま、ぐ、っとお腹に力を入れて少し前にずれてみた。一瞬、かさぶたを剥くようなチリっとした違和感があったが、痛くはない。抜けた部分は汁気を帯びて温かくて……生々しさに、目の前の景色がぐにゃりと歪んだ。
「ん、く……っ」
すぐに抜けると思っていたのに、トモを起こさないように、静かに……と思うとなかなか上手くいかない。
「は、っ……!」
もう半分抜けただろう、と思うのに、いざ触れてみると一ミリしか進んでないんじゃないかってくらい、まだ埋まったまま。
何度かやってみて気づく。それは、後ろの男が抜くことに協力的じゃないからだ。寝ていて弛緩している人間の身体は、普段の倍、重く感じられる。
「く……、は、う……」
力を抜いているつもりなのに、自分の意思を無視して……中が、離したくないというように……未練がましく吸い付いているような気がする。
「ふ、ぁ……」
匍匐前進の横バージョンみたいにじりじり動いていると、後ろの健康優良児の熱も遠くなってきた。指先に、今までと違う段差のような形が触れる。同じ男だから、そこがどの部分なのかわかる。あとは一番太い、先端の張ったところだけということだ。やっと抜ける……と、そのままベッドを下りるつもりで動いた瞬間、
「なーにしてんの」
「えっ……、ひああぁッ!?」
聞こえてきた声を脳が理解する前に、ぐっと腹を引き寄せられてベッドにうつ伏せにされていた。時間をかけて抜いたはずのものが、一瞬で根本まで突き刺される。
***
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あらすじ画面もご参照ください。l
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