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大人の愛し方〈那津美視点〉★

 うなじに口を寄せて、舌全体を使い舐めあげる。 「っん」 「・・・・・・可愛い声だな」  いまの俺たちは、自分たちで築いた障壁を自らの手で破らないといけなかった。紬は多分だが、血の繋がりがあるからという真っ当な理由を気にしていないのだろう。それより、俺を一人の男として繋ぎ止めようと、愛されようと、丁度良いタイミングを見計らっている気がする。 「くすぐったい」  嫌がるくせに紬はいよいよ、気持ちの準備が出来たようだ。俺は紬の些細な視線の動きも見逃さず、今正に互いの禁忌をおかそうと、弟の股の間に手を忍ばす。 「ここにな、とても気持ちのいいところがあるんだ」  と、淫らに優しい声で言う。紬は頷き、上下の部屋着をそろりと脱がされるままになっている。男同士は初めてな紬は、ちっとも慣れない恥ずかしさに瞳を震わせている。もう三十を超えている男が魅せる色香とは思えない初心さだ。 「これがこの世の終わりでも悔いはないな」  暖色系の照明の下で、紬の痩せた躰がさらけ出される。ゴクリと嚥下した唾液が身体中を潤す。眼の奥から涙が溢れてきて、欲望のまま紬の肌に手を伸ばした。  紬は優しく頷いた。 「那津美、那津美、僕もだよ・・・・・・いいよ、好きなだけ触れて、全部ね那津美だけの物だから」  浴室に連れて行き、初めて紬の躰の細部まで手を這わせた。今夜のために用意したものを全て吐き出させ、「見ないで」と恥じらう紬を前にし、俺は雄をギンギンに勃起させていた。  浴室から出ても髪を乾かす余裕もなく、寝室のベッドの中央に紬を仰向けに寝かせた。性器を根元から膨らませた紬は、欲望の象徴を隠そうとはせず、自ら脚を左右に大きく開いてみせた。 「ああ、紬、お前はなんて美しいんだ」  興奮を抑えきれずに両手で尻の肉をつかみ、蕾の縁をなぞる。 「う、ん」  ビクッと腰を揺らした紬が、小さな甘い声を漏らす。ちゅっ、と唇を合わせると、紬の下半身から力が抜けていく。  紬の股の間に顔を下ろし、鼻を近づける。濃厚な匂いが鼻孔から脳天まで駆け巡る。薄い照明で暴かれた蕾をじっくり見ると、赤くヒクヒクと少しだけ開いている。この赤みは、冗談では済まない熟しかたをしている。 「一人で弄ってるのか」  腹から出す勢いで蕾に息を吹きかける。浴室では夢中だったため気がつかなかった。 「う、うん・・・・・・してる、してます」 「・・・・・・いつからだ」  指一本だけ差し込むと、濡れていない胎内に難なく第二関節まで挿入できた。 「だ、だめ・・・・・・」  逃げようと尻をずらす紬の腰を掴み、問答無用で蕾に指を突き入れ、太ももの裏をべろりと舐め上げた。 「っいや、やめ」  紬は情けない声を出して焦っている。足の裏で肩を押されたから、しぶしぶといった風に顔を上げた。 「いつから尻で感じるようになったんだ」  俺は怒りで胸がいっぱいになった。聞き分けのない子だと声を強める。紬が俺の知らないところで男を受け入れようと、この涎が垂れるほどの肢体に快楽を植え付けようとしていた。それだけで憤怒の念が炎を上げた。 「つむぎぃ、教えてくれ、なぁ? いい子だから」  胸の上で手を震わせている紬は、なにを隠そうとしているのか。一人で自慰をしているのなら、ただ告げればいいだけのものを、黙っているということは俺には言えない事情があるのか。 「こ、高校生の頃から、那津美を考えて・・・・・・してた」  紬の恥じらう顔を見ると、溜飲が下がった。溜まらなく興奮する。虐めたい、徹底的にねじ伏せたい。 「・・・・・・そうなんだな、紬はお利口さんだな、いい子だ」  紬の膝の裏に手を添えると、白い喉元が露わにした。  「脚を閉じるなよ、ほら、自分で支えていろ」  そう、導かれるまま、紬は自身の膝の裏に手を差し込んだ。手を下ろし、紬のぽっかりと空いた蕾に触れた。肩を揺らす紬に構わず、ローションのキャップを開ける音を立てた。 「っう、ぁ」  ヌルヌルとして太い指で、蕾を上下に開く。本当にするのだ、と紬は目尻を蕩かせている。胎内に忍び込ませた二本の指で肉壁を丁寧に擦ると、紬が力を抜いた。すんなり俺の指を受け入れたかと思えば、紬の躰がわずかに仰け反って内ももに痙攣が走る。 「ぁ、あっ、う」 「気持ちいいか?」 「・・・・・・うん、いい」  ぽっかりと開いた蕾に雄をあてがい、ぐぐっと鬼頭をめり込ませた。 「っうん、く、ん」  紬の胎内の温かさに、俺は無意識に涙を溢れさせていた。 「な、いてるの?」  息を絶え絶えになりながらも、紬が手を差し伸べてくる。 「ごめんな、兄ちゃんもう我慢できないや」  紬の温かい手のひらが、俺の頬を包む。ごめんな、と何度もつぶやく俺の良くない癖だ。都合の悪いときだけ兄の立場を利用してしまう。  自分でも不気味な特大サイズの肉の凶器に、紬は頬を紅くして、純血を引き裂かれたいと脚を絡ませてくる。 「白い液をたくさんだそうな、俺が全部食べてやるからな」  俺は腰をドリルみたいに数回打ち付け、先走りで胎内を濡らした。 「っうう、あぅう、ああ・・・・・・っうああ、おおきいい」  灼熱の砲身をくわえさせられた胎内が、メリメリと音を立てるように悲鳴を上げている。 「っあっああ、あ・・・・・・っはぅ、ぅあぅ、っう、ぁあ」 「紬の中は・・・・・・たまらない」 「うん、いっうん、うぅ・・・・・・いぃ、いぃ、あっ」  紬は髪を振り乱し、膝をガクガクとさせて全身に波及する快楽に脅えている。まだ半分も埋め込めていないというのに、紬の可憐な尻は痙攣している。 「まだ全部射れてないぞ、気を失うなよ」  俺は堅くそそり立った雄を 突き入れては引き戻し、戻しては腰をくねらす。蜜口付近にも淫靡な刺激を与えながら、ゆっくりと紬の胎内を蹂躙した。 「ぅうあ、ぅう、あっ、うぁ」  紬の脇の下から手を差し入れ、両手で乳首を弄り倒した。  腰は獰猛に突き上げ、肉杭を奥深くまでねじり込んだときは、パンパンと肉の打撃音を奏でていた。紬の割れ目が赤く腫れても、大胆に太ももを開く紬が悪いのだといわんばかりに、飽きることなく欲望を胎内にまき散らした。  ことさら肉のない胸を揉むと、紬は甲高い喘ぎ声をあげ、胎内を締め付けてくる。乳首を指の腹でこね、唇でねっとりとねぶった。 「アァッ・・・・・・! 熱い、もぅ、もういやだぁ、いっちゃう、いく」  紬は声をうわずらせ、オルガズムのスイッチが入ったように狂おしく躰を跳ねさせた。 「つむぎぃ、かわいいな、もっとたくさんぶち込んであげるからな」  紬はいやいやしながら、腹と顔を自身の精液で汚す。俺はそれを舐め取り、紬のあらわな声を聞いて、胎内で何度目かの精を吐き出した。紬の腹は擬似的に丸く膨らんで、絶頂を告げた胎内は痙攣をして、雄から新たな欲望を搾り取ろうとした。 「お腹、やぶれちゃうっ」  年末年始、一度も外を出ることなく、紬は延々と雄を胎内奥深くまで咥えていた。トイレと風呂以外は胎内の弱いところまで全て感じ、何度も泣いては失神していた。俺は紬の躰で繁殖しようと、ゴムをつけないまま何度も精液を叩き込んだ。 「ひっ、ぃい、ぎゃぁ、だぁめぇ、へっ、あっ、あたって、ひぃい、んぅう! う、ぁ・・・・・・」  いっそう激烈なピストンで胎内奥深くを抉ると、紬は白目をむいて気を失った。 「駄目だろう、紬、起きなさい、ほらぁ、おき、ろっ」  俺を一人にして、自分だけは夢の中に逃げた紬の汚れた顔をオカズにして、怒濤のごときピストンをお見舞いする。早く起きろ、そうでないと俺は紬を殺してしまう。 「いくぞ、紬、残さず受け止めてくれ・・・・・・っう・・・・・・っふ」  眉間に深くしわを刻み、目の玉をひっくり返して欲望を吐き出した。  急に夢が俺を呼んだ。俺は胎内に雄を埋め込んだまま、がくりと紬の上に崩れ落ちた。  カーテンの隙間から日が射し込んでくる。外は明るい。まぶたが熱くなり、俺は紬の後頭部に顔をうずめて揺蕩う夢の中へ躰を預けた。

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