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アニマルセラピー③

「ごちそうさま。めちゃめちゃ美味かった」 「お粗末さまでしたっ!喜んでもらえて嬉しいです!」 「まじで過去一美味かった。つか結翔、手、出して」 お弁当箱を片す蓮先輩をニコニコしながら見ていると、おもむろにコンビニ袋に手を伸ばした蓮先輩は袋から何かを取り出し、キョトリとしながら出した僕の手の上にそれをそっと置いた。 手の上に乗せられたのはプッチンできるプリン。持ってろって事かな?って思ってキョトリとしたまま蓮先輩に視線を移すと袋からもう1つプリンが出てきた。 「それ結翔のぶん」 「・・・僕に買って来てくださったんですか?」 「一緒に食おうと思って2個買ってきた。好きじゃなかったか?」 ペリペリとプリンの蓋を剥がしながらコテリと首を傾げる蓮先輩にキュンと胸が高鳴り思わずプリンをギュッと握りしめてしまう。 「・・・好きです。大好きですっ!ありがとうございます、嬉しいです!」 「ははっ!良かった。俺もプリン好き」 嬉しそうに笑う蓮先輩。プリンが好きだなんて初めて知った。なんだかギャップがあって凄く可愛い・・・!今日から僕の好きなデザート第1位はプリンに決定。僕、プリン作る練習しようかな・・・。 「・・・でも毎日あんな飯食べれる結翔の家族が羨ましいな」 聞こえないくらいの小さな声でポツリと溢れたような、聞かせる気が無いような、そんな呟きが聞こえてきた僕はなんだか胸がギュッてした。さっきと一緒の悲しいような、寂しいような顔。やっぱり僕、蓮先輩には幸せでいて欲しい。1人でそんな顔して悲しいの我慢して欲しくないなぁ。 「蓮先輩!もし・・・、もし迷惑じゃなかったら、明日から蓮先輩のお弁当も作ってきて良いですか・・・?」 「え?」 思わず勢いでそう言ってしまった僕に驚き口に運びかけてたプリンを容器の中にポトリと落とした蓮先輩に、しまった!と焦る。 さすがにモテモテの蓮先輩でも彼女でもない、ましてこないだ知り合ったばっかりの男の僕がそんな事言い出したら怖いよね。キモいって思われちゃった?僕ってなんで勢いだけで突き進んじゃうんだろう。 「あ・・・いや、ごめんなさい、困らせちゃいましたよね。気にしないでくださいっ!」 「・・・いや、俺は嬉しいけどそんなの結翔に迷惑だろ。よく知らねぇけど弁当作るのにも時間とか材料費とか色々かかるだろ?」 「へ?僕が?毎朝6人分のお弁当作ってるので6人も7人もたいして変わんないし迷惑なんてあり得ないですよ!っていうか迷惑だったらそもそも僕から言い出しません!」 キョトリとしながらそう言い切った僕に、思ったような返事じゃなかったのであろう蓮先輩もまたキョトリとして目を瞬かせた。 「え、毎朝6人分の弁当作ってんの?すげぇの上限振り切ってると思ってたけどまだ上があったな。俺朝弱いし尊敬するわー・・・」 パチパチと瞬きをしながらそう呟いていた蓮先輩が、ふっ、て笑った。 「じゃあさ、お願いしてもいいか?結翔が迷惑じゃないなら弁当毎日食いたい。その代わり俺は毎日デザート持ってくるからさ、ここで一緒に食おう」 そう言った蓮先輩がなんだか凄く嬉しそうで、それが僕も凄く嬉しくて、勢いで言っちゃったけど言って良かったって頬っぺたゆるゆるゆるにしながら、はいっ!って元気にお返事した。

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