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夢のような日々⑬
「そろそろ昼休憩終わりそうだな。教室帰れるか?」
笑いが収まった蓮先輩は時計を確認して僕の頭をポンポンとしながらそう言った。
あれ?いつの間にそんな時間になっちゃったんだろう。寝ちゃってたからかなぁ。
あれ、でもそういえばさっき途中で大きな声が聞こえた様な気がしたんだけど・・・あれってなんだったんだろう?寝惚けてて全然覚えてない。
「あ、はい、大丈夫です。あの・・・さっき誰か来てました?僕寝惚けてたから全然覚えてなくて」
迷惑かけてなかっただろうかって不安になってしょぼんとしてしまう僕を見て、ニヤリと笑った蓮先輩。
「ん?大丈夫。結翔が気にするような事は何も無かったから」
「そうですか・・・?それなら良いんですけど」
何故かニンマリと笑ったままウンウンって頷いている蓮先輩にキョトンとしてしまう。
「そうそう。それよりさ、今週の土曜空いてる?今日ひと口しか食べさせてやれなかったチーズケーキなんだけどさ、買った店で桃のフェアやるみたいなんだよ。またココで買ってきたやつ食べても良いけどさ、せっかくだから店に食べに行かねぇ?」
「へ!?一緒に行ってくださるんですか・・・!?」
さっきまで誰が来てたんだろうって思っていた思考が一気にすっぽ抜けた。
蓮先輩とお出かけ!そんなの僕へのご褒美にしかなりませんよ!?
キラキラと瞳を輝かせて蓮先輩の顔を見上げると、目を細めて頭を撫でてくれた。
「あぁ、一緒に行こう」
「ふぉああ!嬉しいです!行きます!行かせてくださいっ!」
「ははっ!じゃあ時間とかはまた決めような。とりあえず結翔が授業遅れちまうから今日は教室帰ろうか」
「わかりましたっ!」
「じゃあまた明日な」
「はい、また明日ですっ!」
まさかの蓮先輩とお出かけの約束をしてしまった・・・!
嬉しすぎてお顔のニヤニヤが止まらないよぉ。
もしやこれは・・・これはデートと言っても過言では無いのでは?デートだと思っても良いかな?良いかなぁ!?
・・・はっ!大事な事忘れてた。僕、何を着て行ったら良いんだろう?オシャレな服なんて持ってないのに。
蓮先輩は絶対にオシャレだよね。僕もちゃんと見れるような格好していかなきゃ蓮先輩が恥ずかしい思いをしちゃう。
うーん・・・姉ちゃん達に知られたらとっても面倒になる事間違いなし。小さい頃は着せ替え人形にされて非常に大変だったんだもん。女装とかさせられかねない。
兄ちゃんは何故かゴリラの顔が前面にプリントしてあるTシャツを可愛いだろってお気に入りにしてる様な人で、そもそもファッションセンス皆無だから頼れない。
・・・・・・匠に相談しよう、そうしよう。
教室に向かう廊下を歩きながらウンウンと唸って考えた僕は結局匠を頼る事にした。匠の私服はオシャレだったし。
蓮先輩はどんな服装が好みなのかなぁ?
なんて浮かれに浮かれて教室に帰った僕は、事情を知らない3人に何でそんなにソワソワしてるの?ってキョトンとされてしまった。
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