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凄く甘くて少しだけほろ苦い④
待ちに待った結翔とのデートの日。
楽しみすぎて約束の30分前に待ち合わせ場所に着いちまった。
今までは誰かを待つのは嫌いだったんだけどさ、結翔を待つのはなんか楽しくて自分でもびっくりだ。
頭の中で今日のデートのシミュレーションをしつつ付近のケーキ屋を調べようと携帯をいじる。
結翔に食わせる昼のデザート、美味いの食べさせてやりてぇし情報収集は大事じゃん?
真剣に携帯と睨めっこしてたからか気付けば待ち合わせの10分前になってて。
ふっと視線を上げたら丁度着いたんだろう結翔を見つけた。
どんなに人が多くても結翔だったら見つけ出せる自信があったけど、私服姿でも問題無く余裕で見つけられた。それにしても私服姿もクソ可愛いな。
そんで何故か立ち止まってる結翔の所に行こうとした時に気付いたんだけど、なんか俺囲まれてた。全然気付かなかった。
こんなんだから結翔が近付けねぇんじゃねぇか。
邪魔だなぁ、なんて思いつつなんか話し掛けて来てる女達を全スルーして結翔に駆け寄る。
正直なんて言ってるかなんて聞いてなかった。結翔の方が大事だし。
今日は1日結翔は俺だけのだって知らず知らずのうちに浮かれながら結翔に声をかけると、結翔も嬉しそうに返してくれて。
やべぇ可愛いなぁって思ってたら知らねぇ女が結翔に絡み付いてきた。俺のに何してんの?マジで。
結翔に乳押し付けやがる女にイラッとして思わず結翔を抱き込んだ。
俺はどう頑張っても乳なんてねぇから結翔が乳で喜んでたらどうしよう。筋トレで大胸筋鍛えるとか?なんて考えながら結翔の顔色伺ったんだけど、別にいつもと変わらなくて。
よかった、ってちょっとホッとした。
必死こいて大胸筋の筋トレをしなくても済みそうだ。
気を取り直して嬉しそうにしてる結翔をバイト先に連れてった。
優斗さんは俺がバイトに入った当初から色々教えてくれて可愛がってくれるめちゃくちゃ良い人なんだけどさ、色恋に関してはマジでクズで節操が無いの知ってるからロックオンされないように先に釘刺しといた。俺のだからって。
でもやっぱ結翔は可愛いし良い子だからさ、即行で優斗さんにも気に入られてて。
正直結翔は俺のなのにってのと、俺の結翔はクソ可愛いからなって納得しちまう気持ちとで複雑だ。
まぁ優斗さんは俺のだって分かってて手出すような人じゃ無いって分かってるけどさ、ちょっと当たりが強くなるくらい許してほしい。
だってやっぱ俺以外の奴が結翔を構うの、気分良く見てらんねぇし。
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