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え、嫌ですけども⑫
いつも通り早めに起きて軽いジョギングをした。
当日の朝に体力使い果たしたら意味ねぇし、今日は準備運動程度。
制服を手に取りかけて、あ、今日はジャージで良いのかって思い直して団Tとジャージを履いて。
・・・あーっと。長袖のジャージ、持っていかなくても良かったんだっけ?
去年は体育祭なんて面倒だと思ってたから適当に流してたし、正直あんまり記憶にねぇんだよな。
でも確かしっかり暑かったような。暑いしダルいし早く帰りてぇって思ってたのだけは覚えてるし。さっき外に出た時も天気は良さそうだったし今年も去年とたいして変わらないだろう。
・・・そういえば結翔の肌って真っ白で日焼けなんて無縁な肌してるよな。あれって日焼けしたら赤くなって痛いやつじゃね?日焼け止めだけよりなんか着てる方がいいに決まってるよな、うん。
よし持っていこう。暑いけど羽織っておけば別に邪魔にはならねぇだろ。
俺は日に焼けにくい体質なのか、日焼け対策なんてしたことねぇのに日焼けをした記憶がない。だから俺のジャージを結翔に着せとけば結翔は日焼けで痛い思いをしなくても良い上に俺は彼シャツっぽい結翔が見れる。これがwin-winというやつだな。
なんて1人で頷きながらジャージを適当に羽織ってキッチンへ降りる。
いつものように冷蔵庫を開けてゼリー飲料を取り出すついでに先日から準備をしていたものを一緒に取り出した。
・・・うん、ちゃんと出来てるっぽい。
結翔が頑張って練習してる姿を見ていて気付いたんだが、結翔って体力が有るとは言えないんだよな。
体動かすのは苦手だって前に嫌そうな顔して言ってたしそもそも運動が嫌いなんだろう。それでも一生懸命頑張る結翔にもっと何かしてやりたくて・・・少しでも結翔の体への負担も軽減してやりたい。
怪我した時に手当てする、なんて当たり前の事じゃなくてさ、もっと結翔に喜んでもらえる事ってねぇかなって数日考えたんだけど。
やっぱ練習の間にしてやれる事なんてなかなか思いつけなくて。だから当日の結翔にしてあげられる事の方に思考を変えた。
つっても俺こういう行事とかの時、誰かの為に何かをするってのに全然慣れてないから何をしてやったら良いのかが全く出てこねぇんだよな。
普通なら今までの経験からしてもらって嬉しかった事、とかを自然と思い出して思いつくもんなんだろうが俺にはそういうのが無い。
・・・俺の両親が俺の為にしてくれた事は金を置いていく事だけだったし。
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