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衝撃的な出会い 9
別棟にある校舎の3階の1番奥が生徒会室。
生徒会室なんて今まで用がなかったから行ったこともなかったし、これから先、何回もこのルートを往復するかと思うと憂鬱でしかない。
つーか、生徒会室遠すぎる。
しかも、終礼の後だし生徒なんて誰もいねーし、別棟は校庭からも離れてるから、部活の声すら聞こえない。
はー…
ため息5回目でやっと生徒会室に着いた。
ドアに手を伸ばしたとこで勢いよくドアが開く。
「おせーよ!」
確かにたどり着くまで2回ルート間違えたけど、仕方ねーじゃん。
「初めて来たんだから仕方ねーだろ!」
「今日は大目に見てやる。これからはもっと早く来いよ。」
偉そうにしやがって。
とにかく入れと言われ、しぶしぶ中に入ると、ソファーにローテブルとちょっとした応接室みたいな造りになってた。
その奥に、机と椅子があり机の上にはアイツが今まで見てたであろう書類が散乱してる。
「突っ立ってねーで座れよ。」
「生徒会室ってこんな感じなんだな、なんか…校長室みてー。」
とりあえずソファーに腰を下ろし、俺がキョロキョロしてると、頬っぺたに冷たい感触が。
「ギャー!冷てー!!」
「やるよ。」
冷たさの主はなんと俺の大好物なアイス!!
「な、なんで。」
「アイス好きなんだろ?食え。」
こいつエスパーか?!
「な、なんで俺の大好物知ってんだよ。」
「この前もさっきもアイスアイスって言ってただろ。」
ん?!
この前もさっきもってことは、声に出してたってことか!?
「早く食わなきゃ溶けるぞ。」
「お、おう。…ありがと。」
俺が目の前のアイスに食らいついてる時、アイツがこっそりドアに鍵をかけたことなんか気付きもしなかった。
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