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真実の鍵 27

「それで?」 少しの沈黙のあと返ってきた橘からの返事は予想通りというか、俺の言葉をまるで信じてない返事だった。 「……………。」 「………だったら、オレの目を見てちゃんと言えよ。オレが嫌いだって。」 こいつが簡単に信じるはずないのは分かってた。 ある意味、信じてないからこそそんな強気なこと言えるんだ。 なら、俺は心を捨てる。 信じてくれないなら、信じるまで言うまでだ。 「………言ったら、信じてくれんのか?」 そして俺は覚悟を決め、一度ギュッと目を閉じてから顔を上げ橘と視線を合わせた。 「…………え」 「そこまで言うのは気が引けたから、なるべく遠回しに言おうかと思ったんだけど、言って欲しいなら言うよ。」 「………な、ぎさ?」 「俺、おまえのこと嫌い。俺様だし、強引だし、性格悪いし。流されちまったけど、やっぱり男となんてキモい。だから……」 そこまで言って、急に心臓が止まりそうになった。 目の前のこいつが一瞬、泣きそうな顔をしたから。 あんな顔見たことない。 あんなに不安に満ちた顔は…… いつだって無表情で俺の前以外では殆ど笑わないのに。 なのに、俺ごときになんであんな切ない表情するんだよ。 いつもみたいに、俺の嘘を見破って俺様に“渚はオレのモノだ”って言えばいいのに。 言ってくれないから、俺…続けるしかないじゃん。 これ以上こんな橘は正直見ていられなくて、微かに視線を外し最後の言葉を口にする。 「だから、………ホントに迷惑…なんだよ……」 俺はこんなに苦しい思いをしてまで、 一番好きな人を傷付けてしまった、 最低な男だ⋯⋯────

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