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真実の鍵 29
そうだよ、仕方ないんだ……
“全部終わり”
その言葉だけが頭の中でぐるぐるして、強く響く。
それは鳴り止まないサイレンのように……
────⋯⋯
「………優人?約束、忘れてないわよね?」
「………忘れてねーよ。」
「じゃあ、………ここで今して。相原くんの目の前で。」
何?約束?!
もう俺の頭の中はぐちゃぐちゃで何がなんだかわかんなくて、ただ呆然と立ち尽くすしか出来ないでいた。
このまま、俺たちは終わるのか。
いや、もう終わってるんだろうな。
そして、更に俺は絶望を味わうこととなる。
深いため息を吐いて、橘は先輩の目の前に行くとその手で先輩の顎を掴み顔を上に向かせた。
そして、橘の唇は先輩の唇に…………
ゆっくりとゆっくりと近づく2つの唇
あの日の記憶が蘇る
苦しくて、
苦しくて、
もう二度とあんな思いはしたくないと思った。
なのに、
またあの日のように胸が張り裂けそうに苦しい。
いや、あの日より苦しい
ずっと、ずっと。
…………やっぱり、
好きだから。
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