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友達以上、恋人未満 17
なんとか見つからずにすんだけど、俺……すげーもん目撃しちゃったよな。
夕方で人気のない校舎をとぼとぼと歩きながらついさっきまで目の前で繰り広げられていた光景を思い出す。
まさかな…まさか…ほっしーが……
あの二人、いつから付き合ってるんだろ……全然気付かなかった。
橘は、知ってるのかなぁ…て、幼なじみだし知ってるか。
しかし、ほっしーって…意外と情熱的なんだな。
いつも冷静沈着なのに、望月を見るあの目……なんかすげー熱を帯びてたっつーか……男っぽかったし、とにかく色気が半端なかった。
あいつ同い年のくせに妙に落ち着いてるっつーか、大人びてるとこあるけど、望月前にするとそれが2割増しくらいの勢いだったな。
……って、俺、なに変なこと考えてんだよ。
とりあえず、今日はさっさと帰ろう。
と、足取りを速めようとしたら、ズボンのポケットに入れていた携帯が震えた。
……そして、
携帯を開いて固まった。
ほっしー………
タイムリーすぎるよ。
着信画面を見つめたまま数秒固まる………
でもあんまり待たせてもおかしいと思って通話ボタンを急いで押しすと、当たり前だけどいつも通りのほっしーの声が聞こえてきた。
『 ……もしもし?相原くん?』
「ほ…ほっしー……ど、どどどうした?!」
ヤバい………!
俺、声が裏返ってるし!
焦って上手く喋れてねーし!!
焦りまくりの俺とは対照的に、相変わらず落ち着いたトーンで話すほっしー
『 ………用事が終わったから、相原くん大丈夫かなって様子見に来たんだ。今、どこにいる?まだ本部?』
………用事って、、、
一気に顔の熱が上がった。
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