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友達以上、恋人未満 16

俺の頭の中はぐるぐると混乱したままだっつーのに、目の前の二人ときたら完全に二人の世界だ。 『…………せ、……小太郎さん……そんな顔したら我慢出来なくなりますよ。』 こ、小太郎?! 今、“先生”じゃなくて名前で呼んでた…… つーか、望月って小太郎って言うんだ…って落ち着いてる場合じゃねー!! ……でも、こんだけ見せ付けられても衝撃的すぎてまだ信じられない自分がいるけど、こいつら……マジなんだろうな。 お互いを見つめる眼差しは恋人同士特有の愛しさを放ってるし…… とにかく、望月を見つめるほっしーの眼差しがなんかエロい……なんかエロいんだよ! 『……なら我慢出来なくなる前に、早く行けっ。』 『もう、顔真っ赤にして言われても説得力ないですよ?……可愛い人ですね。』 『……う、うるせー。さっさと行けよっ。』 『はいはい、じゃあそろそろ行きます。』 “ 可愛い人” うわー望月照れてるし…… そんな、俺があわあわしてるうちに、いつの間にかほっしーが望月を離してこっちに向かってくるのが見えた。 やべっ!こっち来るじゃん! ハッとして急いでドアから離れ、死角になる場所に身を隠す。 危機一髪のとこで気付かれずにすんだけど、早くこの場を離れないと今度は望月に見付かるかもしれない。そう思った俺は、そのまま裏口から出ていつも通ったことのない、別館の裏を通って帰ることにした。

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