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友達以上、恋人未満 20

…………あれ?向井? 一人いそいそとどこかに歩くそいつを追いかけ、後ろ姿がしっかり見えるとこまで追い付くと確かに向井だった。 鳴ちゃんと、とっくに帰ったものだと思ってたけど…まだいたんだ。 つか、こんな時間なのにどこ行くんだろ。 明らかに帰るには逆方向に向かう向井が気になり、俺はこっそり後をつけることにした。 * 『…………鳴……話って何?今日は疲れたからさっさと帰ろうぜ?』 『あのね………京太に…言わなきゃいけないことがあって……』 ………鳴ちゃん? 屋上に続く階段の踊り場に向かった向井。 後から、ちょっと経って鳴ちゃんがやってきた。 立ち聞きなんて悪いと思いつつも、なんだかただならぬ空気に完全に帰るタイミングを失ってしまった。

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