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パンドラの箱 4
「…渚────」
そして意識が朦朧とする中、話しかけられた言葉を最後まで聞くことなく、俺は………ついに意識を手放した。
─────
────────
「……………は?……だったら────」
………………
「………あいつなら…ぐっすり…眠ってる。つか────」
…………なんか…遠くで声がする………
なのに目を開けようとしても眩しさでままならず、なんといっても全身が鉛のように重く全く動けない。
なんとか身体を少しずらすと頭がぐらぐらして酷い頭痛を感じた。
「………ッ……」
眉間にシワを寄せながらも必死に目を開け、その狭い視界に捉えたのは、趣味の悪い柄のソファーに座り誰かと電話中の向井だった。
……どういうことだ
なんで向井?
つか、ここって………
視線を上へ向けると………しかめっ面の俺と目が合う。
鏡……
ちょっと待て、まさか此処って…………ラブホ……か?
え?!ちょっ、ちょっと待て。
なんでこんなとこに居るんだよ?!
可笑しいくらい記憶がぶっ飛んでて、俺はこの状況が全く理解出来ない。
と、言うか…頭ん中軽くパニックだし!
そして再度、鏡張りの天井に写し出されている自分の姿を見て血の気が引いた。
俺…………
…………裸……だ…………
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