372 / 498

パンドラの箱 4

「…渚────」 そして意識が朦朧とする中、話しかけられた言葉を最後まで聞くことなく、俺は………ついに意識を手放した。 ───── ──────── 「……………は?……だったら────」 ……………… 「………あいつなら…ぐっすり…眠ってる。つか────」 …………なんか…遠くで声がする……… なのに目を開けようとしても眩しさでままならず、なんといっても全身が鉛のように重く全く動けない。 なんとか身体を少しずらすと頭がぐらぐらして酷い頭痛を感じた。 「………ッ……」 眉間にシワを寄せながらも必死に目を開け、その狭い視界に捉えたのは、趣味の悪い柄のソファーに座り誰かと電話中の向井だった。 ……どういうことだ なんで向井? つか、ここって……… 視線を上へ向けると………しかめっ面の俺と目が合う。 鏡…… ちょっと待て、まさか此処って…………ラブホ……か? え?!ちょっ、ちょっと待て。 なんでこんなとこに居るんだよ?! 可笑しいくらい記憶がぶっ飛んでて、俺はこの状況が全く理解出来ない。 と、言うか…頭ん中軽くパニックだし! そして再度、鏡張りの天井に写し出されている自分の姿を見て血の気が引いた。 俺………… …………裸……だ…………

ともだちにシェアしよう!