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パンドラの箱 6
それから、
……………。
それから先の記憶の糸は…残念ながらぷっつりと切れちまった………らしい。
どどどどどどうしよう……!
とりあえず、向井に……向井に聞けばっ……そうだよな、向井に聞くのが一番早い!
ギシギシする身体を横にずらし、向井を呼ぼうとしてハッとする。
いや、ちょっと待てよ?
なんて聞いたらいいんだ?
えっと……
“俺たちエッチしちゃったの?”
いやいやいやダメだ、あまりにも単刀直入するぎる……
それで涼しい顔して“した”なんて言われたら、俺…どんな顔すりゃいいんだ?!
も……もう少し落ち着いてからじゃねーと俺、発狂しちまうかも。
でも、この状況だからな……聞かなくても、
いやいやいやいや…ちゃんと後で聞こう!
そんなこんなでパニックの俺。
そこにさっきから微かに耳に飛び込んでくる向井の話し声。
シーツを顔すれすれまで引き上げ、こっそり向井を伺う。
誰と話してんだろ、あんな真面目な顔して。
そうしてる間に、向井の表情が少し険しくなって、声が荒々しいものに変わっていった。
そして、その会話も大分聞こえるようになり……
『……そんなに相原が大事なら…自分の目で確かめに来たら?……あんた、生徒会長のくせに学校も来ないで何処に行ってんだ!…それに───』
………せいと…かいちょー?
今、生徒会長って……え?!
生徒会長って……橘?!
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