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4話-②:抑えられない気持ち
ここはどこだろう。さっきまで僕の家にいたはずなのに。辺りを見渡せば真っ白な空間。足場はふわふわとしていておぼつかない。唯君を探していると、後ろからぎゅっと抱きしめられた。
「樹李、ここだよ」
「びっくりさせないでよ……」
唯君が僕の頭を撫でながら、首元をくすぐる。その感触が気持ちよくて、もっともっと、と強請ると唯君はそれに応えてくれる。唯君はその端正な顔を僕に近づけて微笑んだ。
「可愛いね、樹李」
吐息が耳にかかって背中に電流が走る。堪らなく熱くなってくてんと唯君に体を預けると、唯君は黙って離れて行こうとする。手を伸ばせば意地悪な顔をした唯君が僕の両頬をすくい上げる。
「俺の事、好き?」
「す、す……き……」
「んー? 聞こえなかったからもう一回」
唯君の甘ったるい声が僕の鼓膜を刺激する。じくじくと体の芯が火照り出して、力が抜けていく。
「唯君………すき……」
「よく出来ました」
ご褒美に唯君からキスが降ってくる。柔らかくて温かくて溶けそう。唯君の首に手を回すとさらにキスが深くなる。
「もっと欲しい?」
唯君の問いに頷くとキスが口から首、そして鎖骨へ降りていく。いつの間にか裸になっていて、キスは胸まで到達していた。かかってくる吐息に反応してぷるぷると震える乳首を唯君は凝視する。
「は、恥ずかしい……から……やぁ……」
「そんな事ないよ、美味しそう」
唯君の口の中でコロコロと踊らされる。時々食まれたり、吸われたりするから変な声まで出てしまう。
「ぼ、ぼ、僕……や、ぁ……っ!僕も……唯君の……」
唯君はぴたりと止まる。僕の次の言葉を待ってくれているようだ。深呼吸をして息を整える。唯君の目がじっと僕を捉えて離さない。
「僕も、唯君を気持ちよく……させたい」
少しばかり困った様子で唯君は瞳を揺らした。
「だめ?」
強引だとは思ったけれど、唯君のズボンのチャックを下ろして、引っ張り出す。お腹の方に反り返った立派な唯君のモノが汁を垂らして待っていた。思いきって咥えてみると唯君から気持ちよさそうな声が漏れる。フェラなんて初めてだから勝手が分からないけれど、自分だって男だから、気持ちよくなれる場所は知っている。
「樹李、きゅって、絞めないで……」
快感の波を耐えるように僕の頭を乱雑に掴む唯君が愛おしかった。亀頭に舌を添わせ吸い上げるとまたも色っぽい息が聞こえてくる。
唯君のファンってだけのくせに、唯君とえっちな事しちゃってるよ……! どうしよう、もっと、したい。もっと、他のファンの誰も知らない、唯君の表情を見たい。今まで知らなかった自分の情に駆り立てられる。僕はただ、唯君が見れるだけで幸せだったのに。どんどん貪欲になっていく。唯君が欲しい。唯君を満たしたい。
「樹李……っ! もう、出る……っ!」
びゅるる、と口の中に生暖かい液体が支配して頭まで熱が回っていく。顔を上げると息を荒らげ、気持ちよく達した唯君と目が合う。
「出していいよ、ほら」
僕は首を振ってそのままごくんと飲み込んでしまう。お世辞にも美味しいとは言えないけれど、唯君で一杯になるならなんでもいい。
「……もう、このままゆっくり寝ていいよ。あとは俺がしておくから」
唯君の味を堪能した僕はその言葉に甘えてもう一度眠りの淵へ沈んで行った。
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