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4話-①:抑えきれない気持ち
樹李君にお水を与えて目を閉じてから10分。ようやく樹李君が落ち着いてすやすやと寝息を立て始めた。試しに頬を突いてみたが、特に反応もないので寝入ってしまったんだろう。それにしてもなんだったんだろうあの時間は……。まさか俺が樹李君に手ずから水をあげるなんて。夢か幻じゃないとおかしい話だ。でも現実は膝の上には樹李君の体温がある。太ももには布越しに樹李君の吐息が掛かって、長くてふさふさの睫毛が時折揺れている。……あぁもう、この目の前の事実だけでご飯十杯は行ける。
だけど流石に足が痺れて来たので、頭をのけさせもらってクッションの上に預けたい。そっと樹李君の頭を支えると樹李君は顔を思いっきりしかめる。
「んん………」
すると樹李君は俺の手から逃れるように俺のお腹側へ寝返りを打つ。そのまま位置が固定されてしまった。
やばい。流石にそれは、俺の理性が持たない。鎮まれ、鎮まれと念じても無情にも俺の情欲は反応してしまい、徐々に質量を帯びてくる。
どうしよう、さすがに推しに興奮してしまうなんて最低なファンすぎる。
何とか身じろいで樹李くんの吐息から自分の股間を遠ざけ深呼吸をする。中々収まらないそれに絶望しながら、人知れずに処理する方向で作戦を考える。
まず近くのクッションを何とか俺の膝と樹李君の間に置き、それからそっと地面に置く。作戦通りに今度は何とか成功した。そのまま樹李君に気が付かれないようにそっと立ち去ろうとした途端、くい、と袖を掴まれた。
「……?唯……君?」
舌っ足らずな寝ぼけ眼が愛らしくまるで地上に舞い降りた天使……!
樹李君は目を擦りながら、ん〜、とまだ眠たそうにしている。そうこれはバレてはいけない。樹李君に欲情してるなんて。どうしようかと迷っていると、樹李君は徐ろに俺のすっかり固くなってしまっている熱い部分に触れる。
「んん……っ!?」
その柔らかくて靱やかな指がゆっくりと扱くように上下して、時々艶めかしい吐息が吹きかかる。樹李君は何故か光悦の表情を浮かべて俺のそれを弄んでいた。
状況が全く掴めないけれど、これは本当にいよいよまずい。
「樹李っ……!」
樹李君の手を咄嗟に掴むと樹李君は俺をじっと見つめる。
「だめ?」
だめだけどダメじゃない。樹李君がいいって言うなら願ったり叶ったりだ。自分の欲望で推しを汚すかもしれないという気持ちと自分だけのものにしてしまいたいという気持ちが矛盾して混ざり合う。葛藤している内に樹李君は俺のズボンのチャックを下ろす。そしてそのまま欲が滴る肉棒を咥えてしまった。
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