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ほろ酔いサイダー7

 こうした流れは学生時代のときから変わらない。別に俺自身全く怒ってない上に、若干おふざけも入っている。  そんな一連の流れを横目で黙って見ていた先輩が、とうとう堪えきれなくなったのか大声で笑いだした。 「あはははははは、君たちほんと面白いよね。あはははは」 「そんなことないですよ。翔也が勝手にコントに仕上げているだけですよ」 「あっ、宏介、俺のこと裏切りやがって」 「元々味方してるつもりもないよ」 「なっ……」  火に油を注いだようで、先輩の勢いは余計に増していった。ようやくそれで俺たちは黙った。  先輩が落ち着きを取り戻すまでお互いに一言も会話をせずに頼んだ飲み物を飲んでいた。ちらりと宏介の頼んだものを見る。大きめのジョッキに黒々とした液体と白い泡が浮かんでいるもので、ドイツの黒ビールだった気がする。一体どんな味がするのだろうか。

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