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ほろ酔いサイダー34

 久々に食べる甘いものは、懐かしさを覚える味であった。  無心で食べていると、突然宏介の手が伸びてきた。反応に遅れたその手は、俺の口元を舐めるようになぞっていった。 「っ……!!」 「クリーム、付いてるよ」  拭ったそれを、宏介はペロリと舐めた。そしてニヤリとこちらを向いて笑った。 「あれ、照れてる?」 「あ、当たり前だろ! 人前でそんなことできるか!」 「翔也ならてっきり慣れてるもんだと思ってたけどなー」 「……ねぇな」  人前であまりくっつくようなことはしたくない主義であったせいか、手を繋ぐくらいしかしてこなかった。  それを彼は平気でやってきた。

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