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ほろ酔いサイダー35

 あまりの恥ずかしさに、顔が熱くなってくる。その姿を見て宏介が余計に笑ってくる。 「笑うなよ」 「ごめんごめん」  そんなやり取りをしながら、二人でデザートをつついていく。  まだ宏介の顔を見るだけならできたはずなのに、それすらまともにできなくなっている自分がいた。  そして最後の一口になってしまい、同時にフォークを出して刺す直前で二人して動きが止まった。 「宏介、いいぞ」 「じゃ、遠慮なく」  刺されたワッフルが宏介の口へと運ばれていき、皿にあったものはきれいになくなってしまった。  俺は残っていた飲み物を一気に流し込み、ジョッキも空にする。それを置いたところで今度は宏介が残りをゆっくりと味わうように飲んでいく。

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