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ほろ酔いサイダー42

 頭に過ぎることを払拭しながら、恐る恐る覗き込んで確認してみる。 『翔也と家で宅飲みデート』 「だーかーらー、デートって書くなー!」 「あはは。俺にとっては二人きりで過ごすのはデートなの!」  俺に端末を奪われないように、急いでしまう宏介。他人のメモにどうこう言うつもりはなかったが、さすがに名前を出されてデートと書かれるのは恥ずかしい。  書き直しをさせようと迫る前に、宏介は俺から逃げていった。すかさず俺はその後ろを追い掛けていった。食後の身体で走ることが苦しくても、なんだか童心に返ったようで楽しくなってきた。  遠くに人がいるような場所で、大の大人の男二人がはしゃいでいる姿は何とも不思議な光景であろう。それでも、当の本人である俺にとっては他人の目などどうでもよくなるくらいには楽しい時間になっていた。  俺たちは体力が続く限り走り続けていると、くたびれて息が上がって動けなくなっていた。  ベンチに戻って再び座りながら話していると、あっという間に時間が過ぎていった。

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