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プライステイスト3

 しばらくすると、タクトはじっと動かずに大人しくなった。  それに気付いたところで、コウはゆっくりと彼から離れていく。 「……分かったか?」 「いっつもそればっかり……」 「あ? 文句あんのか?」  そう言われ、叱られた子どものように黙り込むタクト。だが、モニターからは決して目を離そうとしなかった。  やれやれ、といった様子でコウは動き出し、どこかへと向かっていった。  奥の方でガサゴソと音を立てて何かを出そうとしている音が聞こえる。  すぐに戻ってくると、その手には手に馴染んだグラスと、お洒落なラベルの貼られたボトルが握られている。赤ワインである。  わざと豪快な音を立ててテーブルにそれらを置き、慣れた手付きで栓を開けていく。溢れないようにそっと注がれる濃い色の液体が、透明なグラスに色を付けていく。  半分より少し多いくらいに注がれたところでコウの手が止まり、ボトルがテーブルに置かれた。そして入れたばかりの液体が入ったグラスを手にし、口元へと近付けていく。  体温が影響されないように持たれたグラスの中身を少し口に含み、その風味を楽しんでいる。

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