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プライステイスト6
無言で入っていくのを眺め、ボトルから一滴も出てこないことを確認してからテーブルに置く。
酔いが回ってきたのか、力加減が分からずに大きな音を立てる。
残りのワインをすぐに味わうのかと思えば、グラスを持ったままじっと見つめている。その体勢のまましばらく動かない。
ハッとして気付けば意識が半分なくなっていた状態から戻ってくると、コウはすぐにグラスを空にした。
本をテーブルに置くと今度は立ち上がり、ボトルとグラスを持って部屋の灯りを消してからキッチンへと向かった。
グラスをさっと洗ってボトルをシンクに置き、欠伸をしながら洗面所へと向かう。
鏡を見ながら歯を磨き、寝る支度を整える。一人であれば適当に済ませていたが、タクトが口うるさく言うおかげですっかり身に沁みていた。
口をゆすいで用を済ませ、自分の部屋へと去っていった。
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