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プライステイスト11

 適当に取り出した小皿を手に、大きいにんにくの欠片だけをそこへ移していく。  液体だけになったフライパンに肉を敷き詰めるように、皮の面を下にして並べていく。なんとか全てを並べたところで、弱火にして蓋をする。  手が空いたところで、タクトは溜まった洗い物を片付ける。においの強いものは念入りに洗い、しっかり洗えたか確かめる。  確認を終えたところで洗い終えたものを干していき、再び冷蔵庫へと向かう。味を染み込ませているボウルを取り出し、耐熱皿へと並べていく。  並べ終え、ボウルに残っている調味料を全体に掛ける。香辛料がタクトの鼻腔をくすぐり、自然と笑みを浮かべさせる。  それをオーブンレンジへと運んでいき、温度と時間を設定して焼き始める。  ようやくタクトの手が空いたところで、彼は何かを思い出したように再び冷蔵庫へと向かう。上の段に置かれた瓶を手に取る。  色鮮やかな棒状の野菜の酢漬けがぎっしりと入っており、ゆっくりと蓋を開けていく。酸味の強いにおいが放たれる。  そこから野菜だけを取り出し、新たな皿の上に並べていく。色が重ならないように順番を考えているようだ。  全て並べ終えると、皿だけを持ってワインの置いてある部屋に向かう。ワインボトルをテーブルの中央に並べ、その横に皿を置く。鮮やかなその光景に、タクトの口がにんまりとなる。

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