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プライステイスト19
「これ美味しい!!」
「だろ。キティって名前だ」
「なんか可愛い名前だね」
そう言いながら再び味わうタクト。あんまり飲み過ぎるなよ、と声を掛けられて間に何かを食べながら飲み続ける。
その手がタンドリーフィッシュへと伸びていき、コウはその存在を思い出した。コウも同じように一切れ取ると、しっかりと味わっていた。
「ん。上出来だな。こっちは赤よりも白の方が合いそうだな」
白ワインのボトルとワインオープナーを彼の元へと近付ける。赤ワインのコルクを外してから白ワインのボトルを開けていく。
全然酔っ払っている様子もなく、手際よくあっさりと外してしまう。新たなグラスを取り出し、そこへ白ワインを入れる。
「タクト、まだこっちの方が飲みやすいと思うぞ。お前の作ったタンドリーフィッシュによく合う」
コウはタクトにそう言いながら差し出す。妙に優しいその仕草に、一瞬のときめきを覚えながら受け取る。
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