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秘密の味3

 仕方なく素知らぬ顔をしながら掴んでいるものを自らの口に運んでいく。さすがに高めの値段設定というだけあって美味しい。そこまでしつこくないがしっかり味があるので、お酒が捗りそうだ。  俺は無言で食べ続けていた。追加でよそって空にする。  あっという間に平らげ、お通しをつまみながらビールを飲んでいると、次の料理が運ばれてきた。魚をマリネのようにしたそれは、どんな酒にも合いそうなものだった。  話しに夢中になっている他の人よりも先に、俺は皿に盛る。こうなってしまえば早い者勝ちだ。  いざ箸を進めていくと、驚くほどにビールが進んでいった。まだ少ししか食べていないが、俺は店員を呼んで追加の酒を注文する。 「お伺いします」 「濃厚ハイボールお願いします」 「他にご注文はありますか?」  俺が頼んだことに気付いたのか、他の人がどんどん注文していく。  そんな中、金森さんは覇気のない声で頼んでいた。

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