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秘密の味15

 しばらく立ち止まって考えた結果、俺はこの人をおぶって歩くことにした。持ち上げると改めて軽い身体は、ぐったりとして俺の身体に密着していた。  さらに速度を落としたまま、俺はひたすら前に進んでいる。 「カナさん、山本さんとどれだけ飲んできたの?」 「いっぱい……」 「それじゃ分かんない」 「……ウイスキーいっぱい」  かなりの量のウイスキーを飲んだのか相当強いものを飲んだのだろう。山本さんはかなり飲む人で、ザルというよりも枠である。そのペースできっと飲まされていたのだろう。  前に俺も一緒に飲んだことがあったが、そこそこ強い自信があったにも拘わらず酔い潰れてしまった経験がある。  それに加えてウイスキーとくれば、むしろ普通にしていられる方がどうかと思う。  金森さんはウイスキーの飲み方にはかなり拘りがあるようで、適量を酔わない程度に飲んでいるのを見る。  今日はその飲み方とは正反対だったのだろう。

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