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秘密の味18

 身軽にしてからキッチンへと向かい、コップに水を注ぐ。零さないようにしつつ運んでいき、求めた本人の手に持たせる。  冷たい感触が刺激したようで、今までの様子からは考えられないしっかりとした力で握っていた。  顔を少し上げ、ぐいっと水を一気に飲んだ。だが、それでもまだ足りなかったようで、空になったコップを無言で差し出してきた。  俺はそれを受け取り、再びキッチンへと戻っていく。同じように入れてから運んでいき、再び持たせていく。  だいぶ落ち着いたようで、少しゆっくり飲んでいた。そして半分ほど飲んだところで口から離してしまった。 「あー、零さないでー」  傾きかけたコップを奪い取り、ソファが濡れるのを防いだ。この人は半分寝かけているようだ。  手にした飲みかけのコップと交互に眺め、どうしたものかと考える。

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