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秘密の味19
とりあえず、俺は一気に水を煽って中身を空にすることにした。それを手に取ったままキッチンへと戻る。
途中で抜け出したため、何だか物足りない感じがする。何かないかと探してみる。
すると、やけに小洒落た包みを見つけた。全く思い出せないでいたので開けてみることにした。
そこには、テディベアの形をしたボトルが入っており、よく見るとウイスキーが入っているようだ。
こんなものをどうしたのかと思い返してみると、いつだか金森さんがくれたものだった気がした。小さいボトルではあるが、度数はそこそこあるようだ。
今日はこれだけにしておこう。
ウイスキーの入ったボトルと空にしたばかりの濡れたコップを手にし、俺はソファへと戻る。
反対側の空いている場所に座り、ほんの少しだけ入れる。独特の香りが漂ってくる。
ウイスキーは香りから楽しむ。確か、金森さんが教えてくれたことだった気がする。
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