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秘密の味21

 すると、何かもぞもぞと動き出したかと思うと、俺の膝の上に重みがのしかかってきた。そこを見ると、金森さんが俺の膝を枕にして寝転んでいた。 「カナさん……?」 「司ぁ、何飲んでんだ?」 「……カナさんがくれたもの」 「ずるい」  そんなことを言いながら俺から奪って飲もうと手を伸ばす。だが、俺が離すのと同時に途中で力尽きて倒れて落ちるのは同時であった。 「カナさん、今日はもう辛いでしょ? だいぶ喋れるみたいだけど」 「……司と飲みたい」 「ありがと」

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