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秘密の味22

 まるで猫のように膝の上で転がり続ける。こんな姿を見るのは正直初めてだ。  思わず俺は頭を撫でていた。  その感覚ですらすんなりと受け入れ、俺に甘えてきているように思える。  これが可愛いというものなのか。  俺もこの感覚にすっかり虜になってしまい、ずっと撫で続けていた。  猫を撫でながら優雅に酒を飲んでいる気分だった。思わず俺の酒のペースが上がってしまう。  空になったコップに残りを注ぎ、ボトルを床に置く。大した量ではないものの、原液を飲んでいるようなものなのでさすがに少し酔ってきた。  すると、少し手を離したところで金森さんがゴロリと上を向いた。それに気付かずに撫でようとしたら、思い切り手を払われた。 「あいたっ」  どうやら顔を塞いでいたようで、少し機嫌が悪そうな顔をしていた。 「ごめんごめん」  無言のまま睨みつけるようにこちらを見てくる。俺も無言のまま見つめ返す。  音のない時間がしばらく続いた。こうして見ると、少しは酔いが覚めたのかもしれない。

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