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秘密の味29
一見すると不機嫌なように見えるその表情に、赤みが増していったような気がする。その表情も徐々に歪んでいく。
思わずニヤリと微笑みながらじっと見つめる。
「……ずるい」
「ん?」
「その顔だよ、イケメンめ」
「そりゃどーも」
何度も言われていることだが、正直嬉しい。俺は頭を撫でながら視線を固定する。
そうしているうちに徐々にうとうとし始めた金森さん。これでようやく眠ってくれるだろう。
口数も減っていき、目を閉じている時間の方が長くなっていく。
眠気が移ってきたのか、俺も少し眠くなってきた。思い切り欠伸をし、再び前を向く。
あまり思考がまとまらなくなってきて俺も時々意識がなくなってきた頃、ようやく規則的な寝息が聞こえてきた。金森さんがようやく眠ったようだ。
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