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いつかのさけ6
水のような透き通った味わいが、彼らの中へと入っていく。たった一口だけでも、それが伝わっていく。
この美味しさを初めて口にした桂木。目を見開いたままじっと動かずにいた。
「どうした、桂木?」
「岡崎さん……。これ、めっちゃ美味いっす!! もっと早く来たかった」
「気に入ってくれてよかったよ」
笑顔を向けてもっと飲むように促す岡崎。目の前にある酒は、誰よりも減っていた。
桂木は再びグラスの中のものを飲んでいく。ようやく持ち上げられるところまで減ったところで、グラスを持ち上げて底面を枡の中の液体に擦らせてから外へと出す。
酒に夢中になるあまり、隣にあったお通しの存在を忘れていたようだ。グラスを置いたところでようやく思い出したようで、箸を持って一切れ口にする。
絶妙とも言える辛さが彼を刺激していく。こんにゃくと酒を交互に口にしていき、どちらもほとんどなくなってしまった。
枡に残っていた酒をグラスに移し替え、再びグラスを煽る。
しばらくすると、料理が運ばれてきた。
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