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いつかのさけ22

 箸で半分に割ると、中からはピンク色のとろりとしたものが垂れてくる。それを掬いながら一口サイズにしていく。  かなり熱いと確信した桂木は、しっかりと冷ましながら口にしていく。  口の中でクリームの濃厚な味わいが一気に支配していき、他の何もかもの味を忘れさせている。  箸休めに酒を飲むことをなく食べ続けていく。しかし、半分食べたところでようやく酒を口にしていた。  躊躇うことなく、残っていた全てを飲み干してしまった。  さてどうしようか、と考えていると、カセットコンロと鍋を持った店員がそれぞれやって来た。  コンロと鍋を準備し、火を付けて去っていった。まだ全然火の通ってない野菜とあんこうでぎっしりと埋められた鍋は、全員の胃をとても刺激していた。  気付けば皆で鍋を凝視している。 「早くできないっすかね……」 「桂木さん、すぐにできたら誰も困らないですよ。その気持ち、分かりますけど」

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