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いつかのさけ30

 指でその大きさを示す。鍋の中身が入った器よりも小さなその大きさは、結局岡崎に伝わっていなかった。  岡崎も同じように指を広げてみるが、それでも分からないようで首を傾げていた。 「んー、よく分からん。夏だったからそれっぽくしたのかな?」 「多分そうっす。俺、思わずそれ買いましたね」 「桂木ってそういうもの好きだな。しかも写真に撮ると面白いし。俺はそのセンスが羨ましいと思ってるよ」 「これでも結構続いてる趣味なんで。料理だって上手く撮れると思いますよ」  そう言いながら、指でカメラを構えるポーズをしてみせる。その中央には岡崎を覗き込ませていた。 「俺を撮ったってしょうがないだろ」 「そんなことないっすよ。一緒に楽しく食事をしてる気分になれますって」

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