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ロマンティック・プランク27

「杏里くん、君と僕が出会ってそろそろ一年くらいになるよね。出会いは何とも言えないけれど、時々会って一緒に過ごす時間がとても楽しかったよ。杏里くんはどうだったかな?」 「柊さんと過ごした時間、どれも温かくて、どれも楽しかった。今までこんなに楽しいことはなかったよ」 「……ありがとう」  杏里の素直な言葉に、ようやく柊に笑顔が戻った。  自然と溢れたその表情に、杏里は思わず胸がときめいた。 「杏里くんと過ごしていくうちに、もっと君のことを知りたい、もっと君と一緒にいたい、幸せにしてあげたいって思うようになったんだ。君のことが、四六時中思い出すくらいに好きだから……」  急に早口になっていた柊の言葉が止まり、じっと向けられていた杏里への視線が離されていく。  少しの間を置いたところで、再び柊の顔は杏里の方を向いた。  そして、ゆっくりとその口が開かれる。 「杏里くん、僕と付き合ってください。そして誰よりも幸せにします」  杏里はその言葉に驚かされた。

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