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ロマンティック・プランク28
大したことではなく呼び出されたと思っていたため、特に意味もない言葉が向けられるのかと考えていた。
その結果、柊から向けられた言葉は、柊の想いがしっかりと乗せられた愛の言葉。誰よりも自分のことを考えている言葉。
杏里は改めて柊の想いを確認し、それと同時に嬉しさが込み上げてきた。
ようやく実感したその言葉に、彼の目からはすっと涙が溢れていた。
「柊さん……ありがと……。こんな俺のこと、好きでいてくれて、本当に嬉しい……。俺も、柊さんのこと……大好きだよ」
泣きながら柊への想いを告げる杏里。
その姿をあまりにも愛おしく感じ、柊の腕がそっと伸ばされていく。杏里の肩に手を回し、自らの身体へと寄せ、彼をぎゅっと抱き締める。
何度も杏里の名前を呼び、ゆっくりと宥めている。
包まれるように感じる温もりに癒やされていったのか、徐々に杏里の呼吸が落ち着いていく。
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