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ロマンティック・プランク33

 熱いと感じるようなそこから、やけに速く脈打つ鼓動が響いてくる。  平常通りではないのは、自分も同じであるということをはっきりと示していた。 「僕だって緊張はするからね」 「柊さんは、いつもかっこよくて、しっかりしてて、そんな風には見えなかった……」 「そう見えるように頑張ってたからね。特に、大好きな杏里くんの前では」 「柊さん……」  頬を赤く染め、潤んだ瞳で柊の顔を見つめる。その顔はニコリと微笑み返し、ゆっくりと近付いてくる。  杏里は思わず目を閉じて少し近付けて待ち構えていた。  思い浮かべていた感覚は予想していた場所にはやって来ず、額に押し付けられるような感覚がしてすぐに離れていった。  突然の出来事に驚き、杏里の目はパッと見開かれた。

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