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第四章・7

「どうしたらいいんだ」  酔いは、一気にさめた。  さっきまでご機嫌だった心地は、どんどん焦り沈む一方だ。 「蓮が。男優と、絡み……!」  それは、単なる仕事だ。  蓮の、ビジネスだ。 「解っている。解っているんだが!」  巴は、とにかく蓮に電話をしてみた。  尋ねて、彼が気乗りのしない仕事なら、五木に命じてやめさせる。  そんな勢いで、電話を掛けた。 「蓮、私だ」 『巴さん。どうしたんですか?』  さっき、別れたばかりだ。  忘れ物でもしたのかと、蓮は気軽に電話に出た。 「いや。その。今度、動画の撮影があるらしいが」 『はい。初めてのお仕事です』 「男優との絡みがある、とも聞いたが……」 『そうです』  淡々とした蓮の返事が、巴は返って気になった。  嫌だ、とか、怖い、とか。  そういう感じでは、全くないのだ。

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