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第七章・2

「あ! うぅ、あぁ! はぁああ!」  二度、蓮に射精させた後、巴は彼の中に解き放った。 「蓮、愛してるよ」 「う、うぅ。僕、僕も……」  痙攣する体をわななかせ、蓮は大きく反った。 「僕も、巴さんを愛してます」 「イッてる最中に返事してくれるとは、律義だなぁ」 「もう。茶化さないでください」  しばらく結ばれたまま、二人は肌を擦り合わせていた。  大切な人との、熱の交換。  そのぬくもりを、味わった。  甘い時間を楽しみながらも、巴は考えていた。 (やはり、もう蓮に絡みはさせたくないな)  しかし、手をこまねいていると、すぐに次の撮影が入るだろう。  何か、策はないか。  蓮の柔らかな髪を撫でながら、巴は考え続けた。

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