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第九章・2

「蓮、いよいよ明日が舞台挨拶か」 「はい!」 「張り切って行けよ?」 「もちろんです!」  浮き浮きと、巴の作ったパスタを食べる蓮。  その姿を、巴は目を細めて見ていた。  ずいぶん、逞しくなったものだ。  体も、心も。 「今夜、泊っていってもいいか?」 「いいんですか!?」  嬉しい、と蓮は笑う。 「明日が大切な日だから、エッチは一回だけだ」 「意地悪です……」  それでも、蓮は嬉しかった。  映画の撮影があっている間は、会うことすらままならなかったのだ。  こうして、巴の手料理をいただくのも、久しぶりだ。  ご機嫌な、蓮だった。

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